フリート管理・テレマティクスのグローバルリーダーであるテルトニカ(Teltonika Telematics)は、デッドレコニングに対応した4G LTE Cat M1 GPSトラッカー「FTM887」および「FTM927」を、日本市場向けに展開します。両機種は、日本国内での使用に必要な技適を、TELECおよびJATEを通じて取得済みです。

デッドレコニングは、GPS信号が失われた場合でも車両の動きを算出し続ける技術です。トンネルや地下駐車場、高層ビル街でも追跡が途切れず、走行経路と走行距離を実際の走行に近い形で記録できます。

日本国内での実走行テストデータ。トンネル内でGPS信号が途切れた場合でも、デッドレコニングにより車両位置を継続して推定し、実際の走行に近い軌跡を維持します。

走行距離データを基盤とする事業の課題

カーシェアリングサービス、フリート事業者、リース会社、走行距離に応じて保険料を算定する保険会社など、走行距離をもとに課金や運用を行う企業にとって、正確な走行距離データは事業の前提です。

一方で、長いトンネルや多層構造の道路、大規模な高架道路では、GPS信号のジャンプや喪失が起こりやすくなります。日本では極めて高い都市密度と山地の多い地形が相まって、東京や大阪などの都市では都市高速道路のトンネルへの依存度が高く、信頼性の高い走行データの確保はますます難しくなっています。

国土交通省の「道路統計年報2025」によると、日本国内の道路トンネルは10,597箇所、総延長は約5,111kmに達します(令和6年3月31日時点)。このうち高速自動車国道には1,188箇所・約1,232kmのトンネルが設けられています。

出典:国土交通省「道路統計年報2025 トンネルの現況」(令和6年3月31日時点、表74 トンネル現況総括表)https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-data/tokei-nen/2025/nenpo04.html

ジャイロセンサーと加速度センサーによる慣性航法

デッドレコニングは、車両の過去の位置情報と既知の速度をもとに、現在位置や進行方向を推定するナビゲーション技術です。トンネル、地下駐車場、高層ビル街など、GPS信号が届きにくい環境でも、安定した車両追跡を可能にします。

加速度センサーとジャイロセンサーのデータを高度なアルゴリズムと組み合わせることで、デバイスは車両の速度、動き、進行方向をリアルタイムで測定します。これにより、GPS信号が途切れた場合でも、衛星通信が復旧するまで車両位置を継続的に算出し、追跡を途切れることなく維持できます。

デッドレコニングがない場合、トラッキングデバイスはトンネルに入る前の最後のGPS位置と、トンネルを出た後に取得した位置を直線で結びます。その結果、実際の走行距離が過小評価され、不正確なルートデータが残ります。デッドレコニングを有効にすると、信号が失われている間も車両の動きが算出され、より現実に近いルートと、より正確な走行距離データが得られます。

また、GPS信号が不安定になる原因はトンネルだけではありません。高層ビルが密集する都市部では、空が開けていても信号が反射し、GPSジャンプや途切れた走行軌跡が生じやすくなります。デッドレコニングはGNSSデータと車両のモーションセンサーを組み合わせることで、こうした環境でも安定したトラッキングを維持します。

デッドレコニングによる導入効果

  • 途切れのない車両の可視化 
  • 正確な仮想オドメーターデータ 
  • 盗難車両の回収率向上 
  • 精度の高いレポート作成 
  • 車両の不正利用の検知強化

用途に合わせて選べる2機種

FTM927は、イモビライザーの活用や追加入力など、より高度な機能を必要とするお客様に適したモデルです。日常的な運用でテレマティクスサービスプロバイダーが必要とする基本機能をすべて備え、Bluetooth®接続にも対応しています。

両機種は、テルトニカのベストセラー製品シリーズをベースに、実績ある信頼性とデッドレコニング技術を組み合わせたモデルです。

FTM887は、設置の手間とコストを抑えたいお客様に適したモデルです。車両への取り付け費用は、場合によってはデバイス本体の価格を上回ることもあります。FTM887はU型ケーブルで車両バッテリーへ直接接続できるため、迅速かつ簡単に設置できます。IP69K等級の堅牢な筐体により、粉じんや水、過酷な環境条件にも対応します。

FTM887

FTM927

モデル製品名
FTM887デッドレコニング対応 防水バッテリー搭載型 4G LTE Cat M1 トラッカー
FTM927デッドレコニング&Bluetooth® 接続対応 4G LTE Cat M1 GPSトラッカー